1975年10月、ソニーからスカイセンサー5900というラジオが発売され、親にねだってそれを買ってもらい、それから数年間、BCL(海外放送聴取)にはまった。当時はナショナルのクーガや、東芝のTRY-Xなど、家電メーカー各社が競い合って短波ラジオを生産しており、それぞれお気に入りのラジオを所有するクラスメイトのBCL仲間たちが、受信した放送局を自慢し合うといったような、短波ラジオが熱い時代だった。
三才ムック「再び始めるBCL―世界のラジオを楽しむ!」は、そんな時代の記憶を持っている人たちに、とても懐かしい内容の本!
山田耕嗣、降臨!
まず冒頭に、あの山田耕嗣さんが登場!今ではすっかり仙人のような風貌になってしまった「BCLの神様」。当時BCLをやっていた中高生に、その名を知らぬ者はいない存在。
そして、その山田さんによる「心に残るアナウンサー10傑」というコーナー。山田さんほどになると、海外の日本語放送アナウンサーとも実際に会ったりしていたらしい。ラジオ・オーストラリア「カンガルー・ジョッキー」で人気を博した西里扶甬子さん、そしてハフ信子さんの、現在の写真も拝めます。今は亡きBBCジョン・ニューマンの項では、伝説のエイプリル・フールネタ「ビッグベンがデジタル化、解体した針をプレゼント」の資料も。スリランカSLBCの岡田陽子さんは、まるで女優のような美しさ。でも僕は、西里さんが好きでした。
前後するが、冒頭の山田さんによる記事の中で、最新型のラジオでは、シャープ製のラジオは中波の感度が最高にいいと書かれていた。これは当ブログの記事「ラジオをMP3で録音」のまとめで触れた内容(ミュージックキャリーのAMラジオは感度がいい)を裏付ける、専門家によるコメント。
RAEの想い出
ベリカードやペナントのカラーグラビアも感動もの。その中に、RAE(ラジオ・アルゼンチン)のカードも載っているが、これにはほろ苦い思い出が。
地球の裏側から放送されていた、RAEの日本語放送は、当時のBCLにとって最大の難関であり、実際に聞いた人も周囲にほとんどいなかった。ところがある日、(たぶん日本語放送ではなかったが)RAEらしき放送を9.690MHzで受信。興奮しつつ録音したテープから聞き起こして、受信報告書を書いた。ほとんどトークは聞き取れないので番組で流れた音楽のデータは重要だったが、その時流れた「コンドルは飛んでゆく」の原題がわからず、「Condor is flying」とかなんとか書いた記憶がある。
苦労の末書き上げた受信報告書を送ると、しばらく経って、アルゼンチンから郵便が届いた!……しかしその封筒に、肝心のベリカードは同封されていなかった。先方の手違いか、こちらの報告書がカードを発行するに足る内容ではなかったか。……理由はわからないが、BCLとしてとても悲しい出来事だった。
それとは関係ないけど、その難局・RAEをネタにしたイラストを専門誌月刊「短波」に投稿したら、お便りコーナーで採用されて掲載誌を送ってもらったことがある。
スカイセンサー VS クーガ
次のカラーページは、「BCLラジオカタログ マニアックス」というコーナー。当ブログでも紹介したことのある「BCLラジオカタログ」は同じ出版社の本で、それをさらに掘り下げたラジオの紹介記事。
BCL全盛期を代表する、クーガ2200、スカイセンサー5900、プロシード2800といった、いわゆる周波数直読ラジオの各機種を、実機写真とともに、機能やチューニング(ダイアル合わせ)方法などを紹介している。自分が持っていた愛機が新品同様に見える状態で掲載されているのを見て、本書の購入を決意した。
BCLラジオ・スカイセンサーシリーズの流れをくみ、ポータブルラジオでは初めて周波数直読による“待ち受け受信”(放送開始前からダイヤルを合わせておく)を可能にしたスカイセンサー5900は、当時画期的なラジオだった。それ以前は、大出力の放送局の電波を便りに、それと周波数が前後する目当ての局を探すといった「手探り受信」が主流だった。
それに対抗してナショナルが送り出した直読ラジオが、クーガ2200。これがまた(5900ユーザーにしてみれば)敵ながら憎たらしいほどよくできたラジオでねぇー。独自開発された周波数直線バリコンによって実現した、「直ダイメカ」と呼ばれた周波数直読機能。ボディ色やダイヤルやスピーカーメッシュといったデザインまでが5900を意識したものだったが、背骨の部分ではナショナル独自の工夫が光っていた。それからまたしばらくするとデジタル機種が登場するわけだが、ピークを過ぎたBCLブームは徐々に下降線をたどる。
思えば、何の苦労もいらないデジタル1KHz直読機よりも、クリスタルマーカーで校正しながらダイヤルを合わせていく、アナログで少しややこしいメカニズムが、少年たちの心を捉えたのかも知れない。まぁ自分もデジタル機には手が出なかったわけで。BCLブームの立役者、スカイセンサー5900とクーガ2200については、また別の機会に書くかも。


あとは、現行の受信機や日本語放送の紹介記事など、盛りだくさん。ぶっちゃけ、個別の記事の内容はいまひとつ物足りない部分もあったりするけど、数十年前の電波を追いかけ続けた日々を思い起こさせ、当時と変わらない気分に浸らせてくれる、資料の数々が圧巻。すでに愛機スカイセンサーも廃棄してしまったので、さすがに、今すぐBCLを再開する気にはなれないけど……。
関連サイト
本書の記事を執筆した皆さんのウェブサイトやブログ。
BCL 岩沙さんのお家/BCL岩沙さんのお家ブログ: 「再び始めるBCL」新刊発売
BCLラジオ・通信型受信機 | BCLラジオネット/JM1DTF's web-log,50MHz,6m,DX,JCC,JCG,EME 再び始めるBCL…三才ブックス
月刊短波
本書の編集担当さんのブログ。
kampf我流ラジオライフ:『再び始めるBCL』がアマゾンで品切れって!
Comments
感想ありがとうございます
「思い出のベリカード」は、私の思い出いっぱいのカードばかりです。その中でもRAEのカードは宝物でした。私のレポートも同じようなものでしたよ。最近、冬の期間は、RAEも良好に受信できる日が多く、RAEを聞くのは、今年の冬まで、少しお預けになります。山田先生は、昨年のハムフェアでお見かけしましたが、写真の通りの仙人風貌でした。服装は、ハデハデでしたが。(笑)
>岩沙さん
執筆者さま直々のコメント、感激です!
RAEに関しては、ほとんどトラウマですねー(笑)。
なので、もし再びBCLを始めるなら、RAEをまず狙いたいと思います。でも、カードのデザインが変わっちゃったんですね…。
岩沙さんは、現役のDXerとして活動されているんですね。ブログを拝見したところ、今は短波でもデジタル放送(DRM)があるそうで、驚きました。時代の流れを感じます。
それにしても、山田先生の変貌っぷりには驚かされました。霞ならぬ、電波を食べて生きておられるのではないかと(笑)。しかしバリバリ健在なご様子で、当時を知る者としては嬉しい限りです。
ではでは、今後ともよろしくお願いします!
RAEに関しては、ほとんどトラウマですねー(笑)。
なので、もし再びBCLを始めるなら、RAEをまず狙いたいと思います。でも、カードのデザインが変わっちゃったんですね…。
岩沙さんは、現役のDXerとして活動されているんですね。ブログを拝見したところ、今は短波でもデジタル放送(DRM)があるそうで、驚きました。時代の流れを感じます。
それにしても、山田先生の変貌っぷりには驚かされました。霞ならぬ、電波を食べて生きておられるのではないかと(笑)。しかしバリバリ健在なご様子で、当時を知る者としては嬉しい限りです。
ではでは、今後ともよろしくお願いします!
トラックバックありがとうございました
最近3か月に1回くらいしか更新してないブログでしたので、コメントもトラックバックも確認していませんでした。性懲りもなくまたBCLラジオの記事を2ndRLという新刊で書かせていただきました。個人的には再び始めるBCLが好きな本なんですが…何か感想などありましたらよろしくお願いしますね。では。
>JM1DTF宮本さん
またもや執筆者さま直々のコメント!ありがとうございます!
「再び始めるBCL」という本は、個人的に、いい意味での徹底した懐古趣味がツボにはまりました。レストア関連の記事も、当時このような情報があれば、うちのICF-5900も捨てずにすんだかも知れないと思うと…。
「BCL-RADIO.NET」も、今回その存在を知りましたが、なつかしのラジオのきれいな写真が掲載されていて、感動です。海外仕様の松下DR29には、そそられました。
宮本さんは、アマチュア無線もされてるんですね。僕も、BCL熱が高じて、無線の免許も取ろうかと思った時期がありましたが…結局、及びませんでした。
そんな私ですが、今後ともよろしくお願いします!
「再び始めるBCL」という本は、個人的に、いい意味での徹底した懐古趣味がツボにはまりました。レストア関連の記事も、当時このような情報があれば、うちのICF-5900も捨てずにすんだかも知れないと思うと…。
「BCL-RADIO.NET」も、今回その存在を知りましたが、なつかしのラジオのきれいな写真が掲載されていて、感動です。海外仕様の松下DR29には、そそられました。
宮本さんは、アマチュア無線もされてるんですね。僕も、BCL熱が高じて、無線の免許も取ろうかと思った時期がありましたが…結局、及びませんでした。
そんな私ですが、今後ともよろしくお願いします!




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本来はどういう操作で削除させたいのか見えませんが、一応消せるし、
まぁ、バグに近い仕様…ですかねぇ?
公式フォーラムでも話題月Evernote:お気に入りバーのショートカットを削除する方法この方法が分からなくて四苦八苦してました。ありがとです。それにしてもよく発見しましたね。これってEVERNOTEのバグですよね?匿名希望ぷららでiTunesストアに接続できない時は?>いちごさん「itunesはitunes storeに接続できませんでした。」
でググってみたら、下記の文章が見つかりました。参考になれば幸いです。
「私の場合はセキュリティソフトのファ月ぷららでiTunesストアに接続できない時は?質問です。
パソコンからipodにつなげようとすると,「itunesはitunes storeに
接続できませんでした。」と出るんですけど,どうしたらつなげれるように
なりますか?いちごEvernote:お気に入りバーのショートカットを削除する方法>POPOLOGさんコメントありがとうございます!
Uターン方式は、公式フォーラムの投稿で知りました。
お気に入りの削除、いちおう機能としては備わってるけど、仕様が未確定みたいな印月Evernote:お気に入りバーのショートカットを削除する方法フォローありがとうございます。Uターン方式のほうが断然消しやすいですね。POPOLOGショッカー基地へ潜入!猪木酒場は知りませんが…いやーほんとにクオリティ高くて、思わず世界征服したくなっちゃいましたよ!
ウルトラほどガチガチではないにせよ、こちらも初期の作品にしぼられており、人の目が気に月ショッカー基地へ潜入!大人の本気はこわいwwwこれはひどすぎますね。ええ。ほめてますもちろん。
池袋はアントニオ猪木酒場の第一号店が出された地でもありますが、そういうお土地柄なのかもしれませんね。(マテけんご